事業承継士の村上智史です。
物流業界では近年、
後継者不足や経営者の高齢化に加え、
2024年問題への対応、人材不足、法改正など、
経営者を取り巻く環境が急速に変化しています。
私が経営者との面会でよく耳にするのが、次のような声です。
「会社を残したいが、子どもは継がないと言っている」
「長年一緒にやってきた社員に任せたいが、彼らに株式を買い取る資金力がない」
「M&Aという選択肢もあるが、本当に安心して社員や取引先を任せられるか」
実際、最新の調査データ(2025年)を見ても、
中小企業のうち「小規模企業」における後継者不在率は57.3%と
極めて高い水準で推移しており、物流業界も決して他人事ではありません。
このような不安に応えるため、
このたびバトン・コンサルティングは、
物流業界でロールアップ戦略を展開する企業との間で、
業務提携基本協定を締結しました。
今回は、この提携の狙いと、
物流会社の事業承継をどのようにサポートしていくのかについて
ご紹介したいと思います。

<目次>
- 1.物流会社の事業承継で本当に難しいこと
- 2.私が今回の提携に踏み切った理由
- 3.今回の提携による物流会社のメリットとは
- 4.バトン・コンサルティングの立場は「売り手FA」
- 5.物流会社の経営者の皆様へ
1.物流会社の事業承継で本当に難しいこと
一般的に、M&Aというと、
「会社をいくらで売れるのか」という点ばかりが注目されます。
しかし、
私がこれまで多くの経営者とお話ししてきた中で、
最後に皆様が悩まれるのは、価格ではありません。
それは、
「誰にどのような想いで会社を託すか」という問題です。
物流会社には、
長年築いてきた荷主との信頼関係があります。
地域に根差した配送ネットワークがあります。
ベテランドライバーがいます。
こうした経営資源は、貸借対照表には表れません。
しかし、これらこそが「会社の価値そのもの」です。
だからこそ、単に「高く買ってくれる会社」よりも、
「自社のドライバーの雇用を守り、荷主との関係を大切に維持してくれる、安心して託せる相手」を求める経営者が多いのです。
2.私が今回の提携に踏み切った理由
今回、私たちが業務提携を行った相手は、物流業界で
ロールアップ戦略(同業の経営資源を共有し、競争力を高める戦略)
を展開している企業です。
<参考記事>
baton-consulting.hatenablog.com
しかし、私が評価したのは、
そのビジネスモデルの表面的な部分ではありません。
面談を重ねる中で、
彼らの経営陣(物流現場を熟知したプロフェッショナル)が、
「物流会社を単なる買収対象ではなく、地域社会を支える不可欠なインフラとして捉えている姿勢」に深く共感したからです。
さらに、M&A成立後、
従業員の処遇や取引先との関係を維持・発展させるための
具体的なプラン(経営統合:PMI)を長期的な視点で誠実に考えている点
も大きな決め手でした。
<参考記事>
baton-consulting.hatenablog.com
国のガイドラインでも指摘されている通り、
M&Aの最終契約や決済は、事業承継の「スタートライン」に過ぎません。
その後の「丁寧な引継ぎ(PMI)」がうまくいかなければ、
従業員が不安になって離職し、荷主も離れて、
会社はあっという間に形骸化してしまいます。
この「承継してからが本当のスタートである」という考えが両者で一致したため、
今回の提携を決断しました。
3.今回の提携による物流会社のメリットとは
4.バトン・コンサルティングの立場は「売り手FA」
ここで、経営者の皆様に最も強くお伝えしたいことがあります。
今回の提携によっても、
私たちの「売り手の味方である」という立場は1ミリも変わりません。
バトン・コンサルティングは、
買い手・売り手の双方を仲介する「仲介会社」ではなく、
売り手企業側の利益を守る「ファイナンシャル・アドバイザー(FA)」です。
近年、M&A業界では
成約を優先する悪質な買い手によるトラブル
(経営者保証が解除されない、給与が遅配するなど)
が問題視されています。
双方から手数料を受け取る仲介型では、
構造的に利益相反が起きやすく、こうしたリスクを防ぎきれないことがあります。
私たちは、この利益相反を完全に排除するため、
提携先を含め、買い手企業からは紹介手数料や成功報酬を一切受け取りません。
私たちの目的は、ただ取引を成立させることではありません。
「今は売却すべき時期ではない」と判断すればそのように助言しますし、
親族内承継や社員への承継(MBOなど)が最も会社と家族のために幸せであると判断すれば、M&Aを勧めずその計画立案をサポートします。
私たちは、経営者にとって「全体最適」な事業承継を
一緒に設計するパートナーです
5.物流会社の経営者の皆様へ
事業承継とは、会社を「手放す」ことではなく、
経営者が長年築いてきた想いと資産を「未来へつなぐ」経営戦略です。
そのバトンの渡し方は、
子どもや親族への「親族内承継」
信頼する右腕や役員への「従業員承継」
信頼できる企業への「M&A(第三者承継)」
など、どれも立派な選択肢です。
大切なのは、どの方法が正しいかではなく、
「自社と家族にとって最も負担が少なく、幸せになれる方法は何か」
を冷静に整理することです。
なお、今回提携したロールアップ企業は、
現在、以下の条件に該当する会社を探しています。
| ◾️ 営業拠点 | 関東圏 |
| ◾️ 売上規模 | 1〜10億円 |
| ◾️ 従業員数 | 10名以上 |
今回構築した物流業界の新たなネットワークも活用しながら、
今後も経営者様の立場に立った親身な支援を行ってまいります。
なお、弊社は国(中小企業庁)に登録された「M&A支援機関」ですので、ご相談にあたっては「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」を活用し、専門家費用の負担を最大で数分の1に軽減できる可能性があります。
「まだ売却するかどうか、何も決めていない」
「自社株の評価や、会社にどれくらいの価値があるのかだけ知りたい」
「親族内承継を進めたいが、子どもと本音で話せていない」
このような段階でもまったく問題ありません。
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現状の事業承継の準備状況をご回答いただくだけで、自社に潜むリスクと、今後優先して取り組むべき課題について専門家の視点からフィードバックいたします。
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